YS営業支援株式会社 代表取締役 関 勇一さん
関 勇一
YS営業支援株式会社 代表取締役
略歴
関勇一さんは、大手機械メーカー「アマダ」に33年間勤務し、前半7年は技術職、後半26年は営業として活躍されました。全国の製造現場を支え続けながら、板金加工機の技術と運用に深い知見を培われています。
その後、中国レーザー加工機メーカーの日本法人に転職し、海外製機械の技術進化を間近で経験。欧州・日本製が中心だった板金業界において「海外製という新たな選択肢が、もっと日本に受け入れられるべきではないか」という問題意識を強く持つようになります。
この経験をもとに独立し、現在はYS営業支援株式会社を設立。日本・海外を横断した幅広い技術知識と、長年の営業経験をいかした“板金機械の最適提案コンサルタント”として、メーカーと現場の橋渡し役を担っている方です。
今回は、そんな挑戦し続ける関さんにインタビューしてまいります!
(聞き手・文:光村紀勝)
“日本製か海外製か”の二択を超えて
板金業界に“最適な一台の選択肢”を届ける
光村:事業内容について教えてください。
板金業界のお客様に最適な機械やソフトウェアをご紹介するコンサルティング業務を行っております。
私自身が販売するのではなく、国内外のメーカー・代理店との間に入り、お客様に合った最適な製品を“つなぐ役割”を担っています。33年間の現場経験を活かし、日本製・海外製の両方を客観的に比較しながら、お客様にとって本当に必要な選択肢をご提案しています。
光村:事業を通してどのような社会貢献・社会課題に取り組んでいますか?
板金機械は高額で、今の材料費高騰や物価上昇では、補助金なしでは導入できないケースも多くあります。そこで私が重視しているのは、「選択肢を広げること」です。
日本製・欧州製だけでなく、中国や台湾など海外メーカーも含めて、価格・性能・保守体制を細かく比較しながら、お客様が“最適な投資判断”ができるよう情報提供しています。
またYouTubeを通じて、国内では知られていない海外技術の実態を発信するなど、業界全体の知識格差を埋める取り組みにも力を入れています。
光村:その社会貢献・社会課題の実現に対しての社会の現状を教えてください。
板金業界の景況感は非常に厳しい状態です。
自動車・家電・携帯電話を中心とした国内需要の減退、トランプ関税による輸出影響などが重なり、「リーマンショック時並みに厳しい」と話す企業もあるほどです。
設備を更新したくても、「買うどころではない」という声が多く、投資判断は難しくなる一方です。
その一方で、人手不足は深刻で、古い機械のままでは現場が回らない、現場は二重のジレンマを抱えています。
光村:その現状に対しての最大の障壁は何になりますか?
海外製の機械に対する“根強い不安”です。
性能よりもまず「壊れた時に誰が直すのか?」「メンテナンスは本当に大丈夫か?」という保守面の不安が最も大きな障壁です。
中国製のバッテリーを例に「バッテリーが燃えるのでは?」というような先入観があるように、板金機械でも“見えない部分への不安”を取り除くことが大きな課題になっています。
光村:その現状を打破するためにどのような行動をされていますか?
私自身が中国・台湾の工場へ直接足を運び、設備や生産体制を確認した上で、その実態を動画で発信する取り組みを続けています。
中国最大級の板金メーカーや台湾の高精度レーザー企業など、現地の技術レベルを日本の方が理解しやすい形で紹介し、「何がどこまでできるか」を見える化しています。
また、メーカー・代理店と協力し、新しいメンテナンス体制を作れないか、サービスの仕組みを整備できないか、継続的に相談を重ねています。
光村:誰もが社会貢献を考え、社会をより良くしていくにはどうすればよいとお考えですか?
まずは“問題意識を持ち続けること”だと思います。
「本当にこれで良いのか?」と常に問いかけていれば、自分に足りないスキルや知識が見えてきますし、それが学び続ける姿勢につながります。
私自身、キャリアコンサルタントの資格を取得したことで、キャリアを“役職”ではなく“自分の成長”として捉えられるようになりました。
小さな問題意識でも、自分の変化を促し、結果的に社会貢献につながっていくと感じています。
光村:これからの時代をつくる大学生や新社会人に向けて、メッセージをお願いします!
ぜひ、「たくさんの場所へ行き、たくさんの文化に触れてください」とお伝えしたいです。
国内外問わず、旅に出て自然・人・食・文化に触れることは、自分の価値観を大きく広げてくれます。
私は若い頃に海外へ行く発想がなかったのですが、大人になってから異文化に触れる重要さに気づきました。机上の勉強だけでは得られない経験が、将来の選択肢を一気に広げてくれるはずです。
「迷ったら旅に出る」
そんな経験が、これからの人生を豊かにしてくれるのではないでしょうか。
関さん、貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!
(聞き手・文:光村紀勝)
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