Topaz One 代表 山田剛士さん

山田剛士

Topaz One 代表

全国展開する照明販売代理店にて営業兼照明コンサルタントとして実務を経験。設計事務所にて照明部門の立ち上げに携わり空間づくりの視点を深めたのち、2023年に独立し「Topaz One」を設立。

照明器具の仕入れ・販売を主軸に、店舗やオフィス、商業空間における“照明コンサルティング”も提供するハイブリッドな照明の専門パートナーとして活動。

メーカー横断の豊富な商品知識と、空間の目的や動線を読み解く設計的視点を掛け合わせ、デザイン性・機能性・コストの最適解を導く提案を行っている。

「照明を通じて、1人1人のミライを照らす」を信条に、デザイナーや施工業者と連携しながらクライアントの理想を照明でカタチにしている。


今回は、そんな挑戦し続ける山田さんにインタビューしてまいります!

(聞き手・文:光村紀勝)


目の前の人に、誠実でありたい
ーその積み重ねが、社会を照らす光になる


光村:事業内容について教えてください。

Topaz Oneは、複数の照明メーカーを取り扱う照明専門代理店として、商業空間や店舗の空間に最適な照明器具を提供しています。

クライアントの意図や空間コンセプトを正しく理解した上で最適な商品を提案するために「照明コンサルティング」も合わせて行い、計画から選定、納入からアフターフォローまで一貫してサポートする体制を整えています。

単に「明るくする」ではなく、「どんな印象を与えたいか」「どういう導線を見せたいか」まで踏み込み、目的に対して照明の選択と計画で価値を最大化し、理想の空間を照明で担えるようサポートしています。


光村:事業を通してどのような社会貢献・社会課題に取り組んでいますか?

照明そのものを通じた直接的な社会貢献というよりも、空間の質を高め、人の心地よさや地域の魅力を向上させることが大きな目的です。

また、エネルギー効率の高い照明器具の活用や、無駄な明るさを抑えた設計によって、省エネや環境配慮にも貢献しています。

一つひとつの案件を通じて、持続可能で人にやさしい空間をつくることが、私にとっての社会的な意義です。


光村:その社会貢献・社会課題の実現に対しての社会の現状を教えてください。

照明コンサルタントという職業自体の認知度は、まだ決して高くありません。

多くの方にとって「照明を設計する専門家に依頼する」という発想がなく、施工業者や設備会社に一任されるケースがほとんどです。

結果として、空間の目的や演出意図が照明に反映されにくいという現状があります。

私は、照明の専門性をもっと社会に浸透させることで、“光の在り方”を選べる世の中にしたいと考えています。


光村:その現状に対しての最大の障壁は何になりますか?

やはり、照明コンサルタントという職業自体の認知がまだ低いことです。

店舗をつくる際、多くのオーナーさんは「設計士や内装業者に任せるもの」と捉えがちで、照明だけを専門家に相談するという文化がまだ根付いていません。

メーカーは自社製品の提案しか行えないので、複数社の商品を扱える代理店に依頼することでより良い照明環境を作れるということをもっと知っていただきたいです。

「光」に対してお金を払う価値が伝わっていないことが、一番のハードルだと思います。


光村:その現状を打破するためにどのような行動をされていますか?

SNSを通じて、自分が手掛けた空間の事例を積極的に発信しています。

「照明でこれだけ印象が変わる」「この空間はこういう意図で光を設計している」と伝えることで、照明コンサルタントの役割を可視化しています。

また、クライアントとのヒアリングを丁寧に行い、「なぜこの光が必要なのか」を論理的かつ根拠が明確な説明をすることも心掛けています。

地道ですが、信頼と理解を積み上げることで、少しずつ業界全体の認知を高めたいと考えています。


光村:誰もが社会貢献を考え、社会をより良くしていくには、どうすればよいとお考えですか?

まずは「自分ができる範囲で誰かのために考える」ことだと思います。

社会貢献というと大きなものを想像しがちですが、目の前の人を思いやることも立派な社会貢献です。

例えば、私はクライアントの“理想の空間”を実現することで、その人の夢や事業を支えるお手伝いをしています。

それが結果的に社会を良くする循環につながると信じています。


光村:これからの時代をつくる大学生や新社会人に向けて、メッセージをお願いします!

どこで働くか以上に「誰と働くか」を大切にしてほしいです。

自分の価値観や熱量に共感してくれる人と一緒に働くことで、仕事の質も人生の充実度も大きく変わります。

また、自分の得意や好きなことを深く掘り下げてください。

「自分がその仕事を通じてどうなりたいか」を明確にイメージすること。

自分の得意・不得意を把握し、今できることを分析した上で実践してみることが重要です。

経験が少なくても、「自分はこれが得意だ」「これを追いたい」と言えるものを持つことが、将来の強みになります。

古い価値観にとらわれず、今の時代やニーズに合った柔軟な思考で挑戦し続けてほしいと思います。


山田さん、貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!

(聞き手・文:光村紀勝)