Riyan 代表 藤田真也さん

藤田真也

宮城県登米市でクレープ専門店「Riyan」を夫婦で営む。

東京などで数多くのクレープを食べ歩く中で「甘すぎず、毎日でも食べられるクレープが少ない」と感じ、自分たちで理想の味をつくろうと決意。

資金面からまずキッチンカーでスタートし、地元密着の営業を続けながら3年目に実店舗をオープン。

現在はキッチンカーと店舗の2軸で事業を展開している。

クレープ生地や素材の配合にこだわり、地元食材を使ったメニュー開発にも力を入れるなど、地域に根ざした経営を行っている。


今回は、そんな挑戦し続ける藤田さんにインタビューしてまいります!

(聞き手・文:光村紀勝)


“甘さを抑えた一枚に、
地元の魅力を包み込む。”


光村:事業内容について教えてください。

「Riyan」は、宮城県登米市でクレープの製造・販売を行っています。もともと夫婦でクレープが好きだったのですが、東京などで食べ歩いても「甘すぎて一枚食べきれない」と感じることが多く、自分たちで理想のクレープをつくろうと決めたのが始まりです。

最初はキッチンカーでスタートし、地元のイベントなどに出店してきました。お客様の声に後押しされる形で、2年前に念願の実店舗をオープン。今では店舗とキッチンカーの両方で営業し、地元の方々に愛されるお店を目指しています。


光村:事業を通してどのような社会貢献・社会課題に取り組んでいますか?

登米市は自然豊かで素敵な場所ですが、過疎化が進み、若い人や観光客が少ないのが現状です。そこで私たちは、地元の食材を使ったクレープを通して地域の魅力を発信し、登米市を少しでも元気にしたいと考えています。

「田舎にもこんなにおしゃれで美味しいクレープ屋があるんだ」と思ってもらうことで、地域全体のイメージアップや観光促進にも繋がれば嬉しいです。


光村:その社会貢献・社会課題の実現に対しての社会の現状を教えてください。

登米市では地域活性化を目的にイベントなども開催されていますが、飲食店の数は少なく、チェーン店もほとんどありません。新しいお店ができても長く続かないケースも多いのが現実です。

また、市外の人が「登米に遊びに行こう」と思うほどの観光資源がまだ少なく、地域の魅力が十分に伝わっていないと感じています。


光村:その現状に対しての最大の障壁は何になりますか?

一番の課題は、やはり「人が来る理由が少ない」という点だと思います。

登米には自然もありますが、他の観光地のように“行く目的”がまだ少ない。どんなに美味しいクレープをつくっても、それだけでは遠方から来てもらうのは難しいんです。地域全体で人を呼び込める魅力をつくることが必要だと感じています。

光村:その現状を打破するためにどのような行動をされていますか?

私たちは「地元の良さを伝える」ことを意識しています。たとえば、登米市南方産のブルーベリーを使ったクレープを販売したり、包装紙を都会的でポップなデザインにして“田舎っぽくないおしゃれさ”を演出しています。

クレープの紙一枚でもお客様の印象は変わるので、手に取ったときに「かわいい!」「写真を撮りたい!」と思ってもらえるよう工夫しています。そうした細部へのこだわりが、地域の魅力づくりにもつながると考えています。


光村:誰もが社会貢献を考え、社会をより良くしていくには、どうすればよいとお考えですか?

「小さく始める」ことが大切だと思います。

大きなことをしようとすると準備ばかりになってしまいますが、小さくてもまず行動してみることで見えてくる課題やチャンスがたくさんあります。私たちもキッチンカーという小さな一歩から始めたことで、今の店舗展開に繋がりました。無理のない範囲で、自分にできることから動いてみることが大事だと思います。


光村:これからの時代をつくる大学生や新社会人に向けて、メッセージをお願いします!

最初は不安でも、まずやってみることが一番です。

大きな挑戦でなくても構いません。小さく始めて、実際に体験することでしか得られない学びや感覚があります。やってみて初めて「自分に合う」「こうしたい」と思えることも多いので、怖がらずに一歩を踏み出してほしいです。


藤田さん、貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!

(聞き手・文:光村紀勝)