株式会社カーサコンシェルジュ 代表取締役 大浦 俊さん
株式会社カーサコンシェルジュ 代表取締役
大学卒業後、住宅業界に身を置く中で、業界構造の不透明さや法的無関心、顧客との情報格差に強い違和感を覚え、独立。建築の知識や法律リテラシーを武器に、住宅購入を検討する一般消費者に寄り添う“住宅コンシェルジュ”として活動。欠陥住宅や情報の非対称性による被害を防ぐため、業界内で言いにくい事実にも踏み込んだアドバイスを行う。“事実”に基づいた住宅購入の意思決定を支援する。
今回は、そんな挑戦し続ける大浦さんの魅力に迫ってまいります!
(聞き手・文:光村紀勝)
“欠陥住宅”の被害を減らすために、
声なき消費者の盾になる
光村:事業内容について教えてください。
住宅購入を検討する個人の相談に乗り、家づくりの方向性を一緒に整理し、提携している信頼できる住宅メーカーを紹介しています。建築の構造や法律知識、業界の裏側に関する事実まできちんと伝えながら、最適な住宅選びをサポートしています。メーカー側の情報だけに依存せず、消費者が騙されないように“見えないリスク”を明るみに出し、お客様第一の仕事をしております。
光村:事業を通してどのような社会課題・社会貢献に取り組んでいますか?
住宅業界では「欠陥住宅」や「説明不足」によるトラブルが後を絶ちません。消費者は専門知識がないまま何千万円もの契約を結ぶ一方、メーカーは報道されにくく、責任も問われにくい。この“泣き寝入り”の構造こそが、私の取り組むべき課題だと思っています。知識や経験のない人が仲介してしまう紹介ビジネスも多く、誤解とミスマッチが連鎖する構造ができあがっているんです。
光村:その社会課題の実現に対して、社会の現状を教えてください。
多くの人は、自分や身近な人が「欠陥住宅で苦しんでいる」現場を知らない。そのため、問題があることすら気づいていないのが現状です。しかし実際には、裁判でも泣き寝入りする人、数千万円の負債を抱えてしまう人が数多く存在します。けれど、マスコミもスポンサーへの配慮から深くは報じない。世間の無関心、無知な状態に、業界がうまく乗っかってしまっているのです。
光村:その現状に対しての最大の障壁は何になりますか?
正直なところ、私自身にまだ十分な影響力がないことが最大の壁です。情報発信力があれば、もっと多くの人に警鐘を鳴らすことができるのに、それが今は足りていない。住宅業界の真実はネットにも出てこないことが多いので、知ってもらうためには信頼と影響力が不可欠です。
光村:その現状を打破するためにどのような行動をされていますか?
地道に、1組1組の家づくりに丁寧に向き合い、正しい選択ができるようサポートしています。ポスティングもするし、地域の不動産会社にも自ら足を運びます。遠回りでも、今はこのやり方しかないと思っています。目の前の顧客の人生を守ることに集中しています。
光村:誰もが社会貢献を考え、社会をより良くしていくには、どうすれば良いとお考えですか?
無理に“社会課題を見つけろ”なんて思わなくていい。まずは自己中心的に生きてみればいいんです。自分のわがままが誰かとぶつかるとき、初めて「譲れないもの」や「守りたいもの」に気づく。そこから“社会”というものが自分ごとになっていくんじゃないでしょうか。
光村:これからの時代をつくる大学生や新社会人に向けて、メッセージをお願いします!
最初は自分勝手でいいと思います。自分のやりたいことを優先していい。けれど、いつか必ず理不尽にぶつかるときが来ます。そのときに初めて、人の痛みや不条理を自分ごととして感じられるようになるんです。
人を守ろうとすれば、それなりの覚悟と力が必要になります。だからこそ、自分の弱さを直視して、そこから何ができるかを考え続けてほしい。夢や理想を語るのは素晴らしいことですが、それを現実の中で貫くには、現実を知り、受け入れ、行動する力が問われます。綺麗ごとを現実にするために、本気で向き合ってほしいと思います。
大浦さん、貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!
(聞き手・文:光村 紀勝)
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