一般社団法人日本ダンサー整体セラピスト協会
長谷部 健さん
一般社団法人日本ダンサー整体セラピスト協会
教育大学で教員を志す中、大学在学中にダンスと出会い、進路を大きく転換。プロダンサーとして活動を開始。
20代の頃には、1日10〜12時間に及ぶハードな練習を日常とする中、身体の不調に悩まされ、一時は「動けなくなる」ほどの限界を経験。
そんな中、出会った整体施術によって劇的に身体機能が回復し、ダンスの表現力にも大きな変化が現れる。この経験から「踊る身体」に特化した整体の可能性を強く実感し、神経整体、頭蓋骨調整、関節調整、アトピーアレルギー整体、筋肉、筋膜調整、小顔整体、エネルギー療法、タイ古式マッサージ、その他あらゆるジャンルの整体を学習。
同時に現場経験を重ねながら独自の技術体系を構築し、施術家としての活動もスタート。
プロダンサーとして舞台や振付などのエンタメ領域にも関わる中で、“踊る人の体を守る整体”を広めることが社会的に必要な支援になると感じ、
2022年に踊る身体に特化したダンサー整体を提供するダンサー専門の整体サロンNekturn'、2024年に一般社団法人日本ダンサー整体セラピスト協会を設立。セラピストの育成にも注力しており、特にダンサーのセカンドキャリア支援や、パフォーマンスの向上・怪我予防を実現する「踊りと整体の橋渡し」をミッションとして掲げる。
現在は、舞台主催や芸能事務所とのコラボレーション、さらにはダンス専門学校・学生サークルとの連携など、若手支援にもフィールドを広げており、教育と実践を融合させた“未来型セラピスト”育成の体制構築に奔走している。
今回は、そんな挑戦し続ける長谷部さんの魅力に迫ってまいります!
(聞き手・文:光村紀勝)
踊る身体に引退はない。
ダンサー専門整体が切り拓く、新たなセカンドキャリアの形
光村:現在取り組まれている事業について、詳しく教えてください。
ダンサーの身体に特化した整体技術を軸に、施術の提供とセラピストの育成を行っております。踊る身体には独自の負荷や可動域があるため、一般的な整体とは異なる視点が必要です。自身の経験をもとに構築した施術法を全国に広めるべく、講習や現場サポートを通じて活動を続けております。
光村:その活動を通じて、どのような社会課題に取り組んでいますか?
ダンサーのセカンドキャリアが極端に限られていることと、身体ケアに対する知識や意識の不足が主な課題です。引退後に続けられる仕事がないと、将来への不安が大きくなります。また、パフォーマンス向上のための身体の扱い方が誤解されたまま浸透しており、故障の原因となるケースも多く見受けられます。
光村:社会全体の現状はどうなっていますか?
現場では「昔ながらの方法」が正解とされ、疑われずに引き継がれていることが多くあります。実際には、そういった方法が身体に負担をかけ、パフォーマンスを妨げる要因になっていることも少なくありません。特に若い世代への正しい知識の提供が求められています。
光村:その現状における最大の障壁は何ですか?
一番の障壁は、「そのやり方が当たり前」という思い込みです。長年続いてきた指導法やケア方法が疑問視されず、更新されていない現状があります。新しい知識や技術を取り入れようとする姿勢が不足していることが、変化を阻む要因になっていると感じています。
光村:その課題に対して、どのような取り組みをされていますか?
まずは自ら施術や講習を通じて、身体の変化を体感していただく機会を設けています。それに加えて、同じ技術を扱えるセラピストの育成を全国で行い、部活動や舞台などの現場に派遣しています。またSNSやメディアでも積極的に発信し、「身体は正しい方法で必ず変わる」という事実を伝える努力を続けています。
光村:誰もが社会課題に向き合い、社会をより良くするには、どうすればよいと思いますか?
まずは、自分自身が直面している不安や課題に向き合うことが大切だと思います。それを解決しようと行動する中で、結果的に社会や周囲の人のためにもなることが多いです。「誰かを助ける」というより、「自分の困りごとを解決する」という視点から動くことで、より自然に社会課題への貢献が生まれるのではないでしょうか。
光村:これからの時代をつくる大学生や新社会人に向けて、メッセージをお願いします!
自分の心がワクワクするかどうかを大切にしてほしいです。やりたいことを仕事にするのではなく、心が動く方向に動いていくことで、それが後から仕事になるという順番もあります。「これは面白そう」と感じたことに飛び込んでみることで、思ってもみなかったチャンスに出会えるはずです。ぜひ、自分の感覚を信じて進んでみてください。
貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!
(聞き手・文:光村 紀勝)
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