nomoto株式会社代表取締役社長 野本 祥一さん
大手飲料メーカーの衛生管理部門で17年間勤務。部長職として、現場の最前線で害虫やウイルスと向き合いながら、店舗や工場の“安全”を守ってきた。そこで培ったノウハウを武器に、2024年(令和6年)にnomoto株式会社を立ち上げる。
nomotoは、害虫・ネズミの駆除や感染症対策といった「ペストコントロール」から、清掃、解体、改修、アスベスト対策まで、都市のインフラ衛生を丸ごと引き受ける会社。業界の課題でもある“人材不足”を突破するため、ドローンを使った害虫駆除チームも発足。見た目も仕事も「カッコいい現場」を追求している。
今回は、そんな挑戦し続ける野本さんに迫ってまいります!
(聞き手・文:光村紀勝)
害虫対策は、社会インフラだ
光村:事業内容について教えてください。
ペストコントロール(害虫・ネズミの駆除・感染症対策)を中核にしながら、清掃、建物の解体・改修まで含む環境衛生プラットフォームを展開しています。飲食店をはじめ公共施設など、あらゆる場所で「快適と安全」を届けるインフラ事業です。
光村:事業を通してどのような社会課題・社会貢献に取り組んでいますか?
目に見えない感染源である害虫を未然に防ぎ、衛生管理の意識を高めることで、人々の健康と安心を守る社会貢献に取り組んでいます。昨今のコロナ禍や海外での蚊による病気蔓延などを背景に、「害虫対策こそが感染症防止につながる」という問題意識を業界の隅々にまで浸透させています。
光村:その社会課題の実現に対して、社会の現状を教えてください。
現状では、飲食店をはじめ中小企業で害虫対策の重要性が十分に理解されていません。そうした店舗では「経費節減」のために駆除頻度を下げる傾向があり、条令が守られないケースも多々あります。虫が出て初めて関心を持つという「後追い型」が主流で、そこに課題を感じております。
光村:その現状に対しての最大の障壁は何になりますか?
その社会課題の障壁よりも、業界の最大の壁として“人材不足”が挙げられます。害虫駆除は徹底的に“虫を直接扱う”現場作業であるため、応募の段階で敬遠されることが非常に多く、「汚い・辛い」イメージから業界への参入者が少ない状態が続いています。
光村:その現状を打破するためにどのような行動をされていますか?
自社内に「ドローン駆除部門」を立ち上げ、ドローン操縦士資格を活かした未来的な業務スタイルを導入しました。害虫調査から駆除まで無人技術も含む形で革新を進め、若者が「カッコよくて、楽しい」と思える選択肢を生み出しています。
光村:誰もが社会貢献を考え、社会をより良くしていくには、どうすれば良いとお考えですか?
害虫駆除に限らず、学生のうちから中小企業や現場を経験する機会を増やすべきだと思います。中学・高校の職業体験で“リアルな仕事”に触れることで、就職・キャリア形成の理解が深まり、社会問題に向き合う気づきが得られると思います。
光村:これからの時代をつくる大学生や新社会人に向けて、メッセージをお願いします!
将来どう生きたいか。経営者を目指すのか、組織に従事するのか。自分のビジョンを描き、その実現時期も逆算して動くことが人生を面白くします。僕は43歳で独立しましたが、それでも“今”が挑戦のタイミングだった。若い皆さんも自分の未来を想像して、後悔しない選択をしてほしいです。
貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!
(聞き手・文:光村 紀勝)
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