株式会社アクト・ドゥー 代表取締役 曽根かおりさん
曽根かおり
パターン&ソーイングスタイリスト。文化服装学院 服装科・技術専攻科卒業。その後、アパレル企業でパタンナーとして勤務し、続けて縫製会社に転職。展示会用サンプルや東京・パリコレ、ウエディングドレス縫製に携わり、既製服製作の高度な技術を習得 。
2004年より、自宅で既製服と同レベルの仕上がりを目指すオンラインソーイングスクール「ソーイングサロンRANPI」を立ち上げ、講師として20年以上にわたって指導を継続。これまでに300人以上が受講し、「マチ針を使わずに既製服のように仕上がるテクニック」を教育 。
その他の資格として、日本アロマテラピー協会 アロマテラピー検定1級、心理カウンセラー養成講座基礎コース修了、TCS認定コーチングスキルアドバイザー取得などを保有
今回は、そんな挑戦し続ける曽根さんの魅力に迫ってまいります!
(聞き手・文:光村紀勝)
「自分の時間」を取り戻すことが、
社会を変える一歩になる
光村:事業内容について教えてください。
株式会社アクト・ドゥーでは、オンラインのソーイングスクール「ソーイングサロンRANPI」を運営しています。ミシンに不慣れな方や初心者の方でも、まるで既製品のように仕上がる洋服の作り方を学べる講座を提供しています。
受講生は30代から70代までと幅広く、自宅で好きな時間に学べるスタイルを採用しています。動画教材だけでなく、講師による質問対応などのサポートもあるので、一人では続けにくい方にも安心して取り組んでいただけるのが特徴です。
光村:事業を通してどの様な社会貢献・社会課題に取り組んでいますか?
取り組んでいるのは、「自分のことを後回しにしてきた女性たちが、自分のための時間を持てる社会をつくること」です。かつては家族のために洋服を作るのが当たり前の時代もありましたが、今はそうではありません。だからこそ、「好きだからやる」「自分のためにやる」という時間の価値が、より大きなものになっていると感じています。
洋裁はあくまで手段ですが、自分の好きなことに没頭し、自信を持ち、人生を豊かにしていく。その支援が、私にできる社会貢献だと思っています。
光村:その社会貢献・社会課題の実現に対しての社会の現状を教えてください。
多くの女性が、家族や仕事を優先して生きてきた結果、自分のための時間やエネルギーを失っています。特に主婦や介護を担う世代は、気づけば「自分の人生はどこにあるのか」と思うほど、自分を置き去りにしている方が少なくありません。
趣味を持つこと、学ぶこと、自分のために時間を使うことに対して、罪悪感を抱えてしまう人も多い。それが今のリアルな社会の姿です。
光村:その現状に対しての最大の障壁は何になりますか?
最大の障壁は、時間と経済的な負担、そして「自分を後回しにするのが当たり前」という社会構造だと思います。
子育てや介護は長期にわたるもので、自分の時間を奪っていきます。誰かのために尽くすこと自体は素晴らしいけれど、それが続くと「私は何を楽しめばいいの?」という思考になってしまう。特に女性は、そこに対して自分を責めてしまう傾向があるように感じます。
光村:その現状を打破するためにどの様な行動をされていますか?
私たちの講座は「達成感を味わえるサポート」に重きを置いています。動画だけでなく、講師が個別にフォローすることで、「やってみたけど続かない」を防ぎます。
誰かに相談できたり、進捗を見てもらえたりする環境があることで、「忙しいけれど、自分の時間をとってみよう」と思えるようになります。自分の手で服が完成する達成感を得てもらうことで、心の余白や自信につながると実感しています。
光村:誰もが社会貢献を考え、社会をより良くしていくには、どうすれば良いとお考えですか?
「社会を良くしよう」という意識よりも前に、「自分はどう生きたいか」「どんな日々が心地いいか」を考えることが第一歩だと思います。
私にとっては、お母さんが楽しそうに笑っている家庭。それこそが、最小単位の社会貢献だと信じています。誰かを笑顔にするには、まず自分が満たされている必要がある。自分の心を大事にすることが、社会をより良くしていく原動力になると思います。
光村:これからの時代をつくる大学生や新社会人に向けて、メッセージをお願いします!
何かしたい、社会に役立ちたいと思ったら、まずは「目の前の誰かを笑顔にする」ことから始めてみてください。
そこから自然に、その輪は広がっていきます。
そして何より、自分が何にワクワクするのかを知ることも大切です。自分を満たすこと、自分を肯定することが、やがて誰かに力を届ける源になります。
失敗しても、それは単なる一つの経験。そこからまた挑戦すればいい。自分の「好き」や「やってみたい」を大事にしながら、一歩ずつ前に進んでみてください。
曽根さん、貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!
(聞き手・文:光村 紀勝)
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