訪問介護美容サービス「うららか」 代表 菅原 名緖美さん

菅原 名緖美

訪問介護美容サービス「うららか」代表。看護師としての経験を活かし、高齢者を対象に、メイク・ネイル・エステなどの訪問型美容ケアを提供している。加齢による身体的制約がある中でも、“美しくありたい”という気持ちを叶えるケアを通じて、心と体の健康を支え続けている。


今回は、そんな挑戦し続ける菅原さんの魅力に迫ってまいります!

(聞き手・文:原田空宙)



「美容は贅沢じゃない、

“心と体”を支えるケアです」


原田:事業内容について教えてください

私が行っているのは「訪問介護美容ケア」です。高齢者のご自宅や介護施設に伺って、メイク、ネイル、エステといったサービスを提供しています。女性だけでなく男性の方にも対応しており、ベッドに寝たままや車椅子の状態でも施術できるよう工夫しています。美容は単なる見た目のためではなく、生活に喜びや自尊心を取り戻す大切な手段だと思っています。


原田:事業を通してどの様な社会貢献・社会課題に取り組んでいますか?

たとえば、マニキュアを塗りたい、エステを受けたいと思っても、「もう年だから必要ないのでは」と受け止められてしまうことがあります。でも、美しさを求める気持ちは年齢に関係なく自然なことで、自分を大切にする行為だと思うんです。私は、美容がもっと介護や医療の現場でも“必要なケア”として根づくような社会にしていきたいと考えています。


原田:その現状に対しての最大の障壁は何になりますか?

まずは、私自身の「発信力不足」です。届けたい人にまだ情報が届いていないことは、大きな課題です。

さらに、介護や福祉の分野では、いまだに“ボランティア的なもの”と見なされることが多く、「ボランティアでならお願いしたい」と言われることもあります。ですが、訪問美容ケアは高齢社会において価値あるサービスです。その意義をきちんと伝えていく必要があると感じています。


原田:その現状を打破するためにどの様な行動をされていますか?

最近はSNSでの情報発信を始めたり、経営者の方々の集まりに参加したりしています。また、介護美容に関する専門コミュニティにも積極的に参加して、現場の声を共有したり、仲間づくりを進めたりしています。すぐに大きな変化は難しくても、小さな一歩の積み重ねが未来につながると信じて取り組んでいます。


原田:誰もが社会貢献を考え、社会をより良くしていくには、どうすれば良いとお考えですか?

社会貢献って、すごく大きなことのように思われがちですが、もっと身近でいいと思うんです。隣にいる人を大切にすること、目の前の人に優しくすること。そういった日常の中にこそ、社会を良くする力があると思います。


原田:これからの時代をつくる大学生や若手社会人に向けて、メッセージをお願いします!

今の時代は、情報があふれすぎているからこそ、「自分で情報を取りに行く力」や「情報を見極める力」がとても大切です。そのためには、現場に足を運んだり、実際の人と関わったりすることが欠かせません。自分の目と心で確かめながら、一歩ずつ前に進んでいってほしいと思います。


菅原さん、貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!

(聞き手・文:原田空宙)