KEYNARU CEO 髙原 大雅さん
髙原 大雅
渋谷幕張中高 卒業
浪人を経て東大工学部に推薦合格
現在は航空宇宙工学を専攻中
教育事業「KEYNARU」を立ち上げ、 学びの可能性を広げる挑戦を続ける
今回は、そんな挑戦し続ける髙原さんの魅力に迫ってまいります!
(聞き手・文:浦尾うらん)
「知らなかった」で終わらせない。
デジタルサイネージで“知る機会”を提供!
浦尾:事業内容を教えてください
「KEYNARU(キーナル)」というプロジェクトを立ち上げていて、全国の中学校・高校にデジタルサイネージ(電子掲示板)を無償で導入し、さまざまな情報や機会を届ける取り組みを進めています。
デジタルサイネージと言うと難しく聞こえるかもしれないですが、イメージとしては駅や街中で見かけるような電子モニター型の掲示板ですね。あれを学校に置くことで、これまで職員室前の掲示板に貼られていたポスターなどの情報を、もっと見やすく・もっとタイムリーに届けられるようにしたいんです。
浦尾:高価なデジタルサイネージをなぜ無償で提供できるんですか?
確かに機材もシステムも高額なんですが、そこはいわゆる広告を取るような形でまかなう仕組みにしています。
具体的には、企業や団体にスポンサーとして入っていただいて、その方々とコラボした番組をオリジナルに企画制作して配信していくという形です。原則として、学校側には費用を一切いただかず、無償で提供する社会貢献モデルを目指しています。
サイネージの配信システム自体は僕たちが独自で開発していて、番組やコンテンツ制作も自分たちでやっています。モニターなどの機材(ハード)は専門の企業さんから仕入れていますが、そこに流す映像や仕組みはすべて手作りなんです。
浦尾:その事業を始めたきっかけはなんですか?
「知らなかった」で終わる人生を減らしたい、という思いからです。
中高生の時に、知らないで閉ざされている可能性って多いと思うんですよね。「あの時何かに出逢いさえすれば、人生変わっていたかもしれない」って思う人、きっと多いと思います。
今のネット社会って、調べようと思えば何でも出てくるけど、そもそも調べようとアクティブにならない限り、その何かに出逢えるかどうかは偶然でしかない。自分のいる地域や学校の環境で、情報に触れるチャンスが圧倒的に少ない子もいます。
だったらこっちから届けよう。興味や関心がなくても、自然と目に入る場所に情報を置こう。それができるのが、デジタルサイネージだと思ったんです。
浦尾:実際にどんなコンテンツを配信しているんですか?
大きく分けて2つあります。
1つは、いろんな団体や企業のイベント情報や募集告知などの広告ポスター的なもの。もう1つは、僕たち自身が企画・制作しているオリジナルの番組コンテンツです。
特に力を入れているのが、「ロールモデル紹介」という企画。同世代の若者がどんなことに挑戦しているかを1日1人ずつ紹介していきます。
たとえば、オリンピック選手のようなすごい人から、地元で小さな活動を頑張っている子まで、ジャンルも規模も問わず多様な人たちを取り上げる予定です。年間で200日学校があれば、200人分の“同世代の刺激”が届くってことですから。
ほかにも、留学や進学に関する情報、地方自治体との取り組み、学生団体とのコラボなど、情報と世界の広さを“感じる”きっかけになるコンテンツをどんどん配信していきます。
浦尾:活動を通して解決したい社会課題はなんですか?
一番のテーマはやはり「情報格差」「機会格差」ですね。
たった一つの情報やきっかけで人生は大きく変わるのに、その“入口”にさえたどり着けない子たちがいる。そんな状態を放っておきたくなかった。
僕たちは今、「デジタルサイネージ」で情報を届けるということをしていますが、ここがゴールじゃありません。これをきっかけにして、もっと広く、学校を舞台にしたプログラムやイベント、動画制作など、いろんな展開を考えていますが、結局、社会を変えるのは「人」だと思っているので、教育というフィールドから、未来の担い手たちの“視野”を広げて、社会全体を底上げしていけたらと思っています。
浦尾:最後に、若者へのメッセージをお願いします!
社会貢献をしたい、何か役に立ちたいと思っても、具体的に何をすればいいのか分からないって、すごく自然なことだと思います。
目的が先にあっても、実際に何をするかは意外と見つかりにくい。
でも僕は、社会貢献とか大きな目標って、いろんな世界を見て、自分が心を動かされた時に初めて本当に意味を持ってくるものだと思うんです。
だからこそ、まずは自分の知らない世界に飛び込んでみてほしい。いろんな人と出会って、話して、経験して、自分の「知らない」を楽しんでみてください。
いまはオンラインでも情報に触れられる時代。立ち止まっている時こそ、一歩外に出て、世界を広げていってほしいなと思います。
髙原さん、貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!
(聞き手・文:浦尾うらん)
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