学生団体carutena代表 塩谷 菜歩さん
塩谷 菜歩
主な活動実績
大学1年春に学生団体 carutena(カルテナ) に加入
2025年3月まで 代表として活動
国際協力NGO 「シャプラニール」 でボランティアに参加
バングラデシュ・ケニアでの現地調査 製品開発を経験
クラウドファンディングで目標金額50万円を達成
株式会社マザーハウスでインターン
千葉県主催 「環境保全コンテスト」 で準優勝
現在は株式会社エコミットでインターン
今回は、そんな挑戦し続ける塩谷さんの魅力に迫ってまいります!
(聞き手・文:原田空宙)
古着のアップサイクルで
脱・大量生産大量消費へ!
原田:活動内容を教えてください
学生団体carutenaでは、服の廃棄から起きる環境問題の解決を目的に活動しています。活動の軸は大きく2つあります。
1つ目が古着を回収し、それをアップサイクルして巾着やバッグなどの製品にし、販売する活動。
2つ目が、子どもから大人まで幅広い年代を対象にした授業やワークショップなどの啓発活動です。
原田:活動を通してどのような社会課題に取り組んでいますか?
私たちは衣服の大量廃棄から生じる環境問題に取り組んでいます。
古着のアップサイクルを通じて環境問題の解決を目指していますが、それだけでなく、商品を手に取ったときに「かわいい」「かっこいい」「これ持って出かけたい」と思ってもらえることも大事にしています。そう思えるような魅力ある商品をつくることで、結果的に活動にも興味を持ってもらえるように意識しています。
原田:SDGsや服の大量廃棄に興味を持ったきっかけはなんですか?
中学生の頃、NGOの方が来校して、カカオ農園での児童労働について話を聞いたのが最初のきっかけです。
自分よりも小さい子が過酷な環境で働かされている映像を見て衝撃を受けました。そこから「生まれた場所が違うだけでこんな不平等が生じるのはおかしい」と感じ、国際協力の分野に関心を持ちました。
高校3年の時には、たまたま『ファストファッションはなぜ安い?』という本を読んで、バングラデシュで起きた「ラナプラザの悲劇」のことを知りました。ファストファッションブランドの縫製工場が複数入居していたビルが崩壊し、1,000人以上の命が失われた事故です。可愛い服を安く買って楽しんでいた自分が、間接的にその構造に加担していたと気づき、大きな衝撃を受けました。
工場が入っていたビルは違法に増築され増築され、無理な生産体制を強いられた結果、安全性が無視されていたんです。建物には前日に亀裂が入っていたにも関わらず、そのまま稼働を強行して倒壊し、多くの命が失われたそうです。
原田:そのような問題が起こるのはなぜですか?
根本には「大量生産・大量消費」の構造があるからだと思います。効率やスピードが重視される中で、労働搾取や過剰廃棄が生まれてしまっている現状です。
原田:その課題解決における最大の障壁はなんですか?
古着のアップサイクルがまだまだ世の中に浸透していないことじゃないかと考えています。私たちは古着からバッグや巾着を作るアップサイクルの活動をしていて、それはとても手軽で楽しい服を捨てない選択肢の一つになっていますが、そういったアップサイクルより、リユース・リサイクルがメインになっているため、まだ浸透していないことが大きな障壁になっています。
原田:アップサイクルを浸透させるにはどうすればいいですか?
私たち自身もアップサイクルを広めたいという思いがありますが、回収したすべての服をアップサイクルするのは難しいのが現実です。なぜなら、商品は一つひとつ手作業で作っているため、対応できる数に限りがあるからです。
そこで、子どもや企業で働く大人を対象に、着なくなったTシャツを持ち寄ってバッグなどに作り替えるワークショップを開催しています。
こうした体験を通して、「服を捨てない選択肢としてアップサイクルがある」ということを実感してもらい、それがアップサイクルを広めるための大切な手段だと考えています。
原田:最後に、若者へのメッセージをお願いします!
アップサイクルやエシカルファッションという言葉に難しい印象を持つかもしれませんが、まずは「この商品かわいい!」「使いたい!」という気持ちで手に取ってもらえたら嬉しいです。
そこから「なぜこういう商品が生まれたのか」「どんな背景があるのか」を知ってもらえるきっかけになればと思っています。
社会課題を解決するのは特別な誰かだけじゃなく、ひとつの選択が社会を変える力になると信じています。ぜひ一度、私たちの活動を覗いてみてください。
塩谷さん、貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました👗!
(聞き手・文:原田空宙)
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