株式会社ステラライトペット事業部責任者 吉松 紗也佳さん
吉松 紗也佳
経歴
関西学院大学総合政策学部 国際学科
保護猫ボランティアサークルを立ち上げ
西播磨ビジネスコンテスト最優秀賞受賞
4社の長期インターン3つの企業プログラムに参加
ペットフーディスト資格を取得
株式会社ステラライトホールディングスにて
事業投資を受け、 ペット事業部責任者を務める
大阪府女性活躍推進ポータルサイトに掲載
今回は、そんな挑戦し続ける吉松さんの魅力に迫ってまいります!
(聞き手・文:原田空宙)
犬猫が“物扱い”される悲しい現実…
“殺処分ゼロ”を実現したい!
原田:事業内容について教えてください
私たちは、わんちゃん用の「ドレッシング」を開発しています。わんちゃんの中には、年を重ねたり病気になったりして、ごはんをなかなか食べてくれない子もいます。
そんなわんちゃんが、「美味しい」「楽しい」と思える「ごはん時間」をつくることで、健康をサポートしたいんです。
最終的には、この事業を通して“殺処分ゼロ”を実現したいと思っています。
原田:この事業を始めたきっかけはなんですか?
小学生の時に出会った1冊の本、『100gの命』がきっかけです。殺処分について知って、大きなショックを受けました。
その後もずっと「自分にできることは何か」を考えて、動物関係の職業体験や獣医を目指して勉強してきました。
でも獣医の夢は叶わなくて。それでも「何かしなきゃ」という気持ちは消えなくて、今の事業につながっています。
原田:殺処分の数は、実際減ってきているんじゃないでしょうか?
グラフ上では実際に減少傾向にあります。でも、問題の“根っこ”はまだ残ってると思っています。
最近の法改正で、ブリーダーが飼える犬猫の数に制限ができ、その結果育てられない子たちを山に捨ててしまう人が出てきました。
また、新しいビジネスとして「保護犬カフェ」が注目されているのですが、その裏では“売れ残り”の犬を流通させる仕組みになっていたりして、問題が複雑化しています。
単純に数を減らせば解決、という話ではないのです。
原田:どんな犬や猫が、殺処分の対象になりやすいんですか?
昔は、噛み癖のある子や、高齢で病気のわんちゃん。あとは、生まれて間もない猫も対象でした。
特に猫は、交尾するとほぼ100%妊娠してしまうので、どんどん増えやすいんです。
一方で野良犬は、狂犬病予防のための対策で減ってきてる。でも、猫は“害獣”と見なされやすい田舎だと、放置されがちなんですよね。
原田:日本では、なぜ“共存”が難しいんでしょうか?
トルコでは犬が街中にいても共存してます。でも日本では、狂犬病がなくても「管理」優先なんです。
それに、殺処分のコストも関係していて、日本ではガスで処分すると30円ほど。
一方、ヨーロッパのような安楽死(注射)は3,000円以上かかるので、コスト重視で決まってしまっている面もあると思います。
あとはやっぱり、法律上、犬は“物扱い”されているのが大きいですね。
原田:犬を“物扱い”しない社会にするにはどうしたらいいんでしょうか?
法律を変えることが、一番の近道だと思います。
今は、たとえば犬を殺しても「器物損壊」でしか罪に問われません。でも命のある存在なんだから、「命」として扱う必要があるはずなんです。
人間と同じように大切な存在として、法律も認める社会にしていきたいですね。
原田:犬猫のごはんまで“物扱い”されているって本当ですか?
本当です。ペットフードは「雑貨」扱いなので、人間の食品みたいに細かい成分表示の義務もないし、衛生管理の基準もゆるいのが現状です。
飼い主さんにとっては「家族」でも、制度上はそこまで守られていないんです。
だから、私たちの事業では、食の安心・安全もしっかり考えて開発しています。
原田:最後に、若者へのメッセージをお願いします!
私もまだまだですけど、「何かやってみたい」と思っている人がいたら、まずは口に出してみるとか、ちょっとその分野に関わっている人に会いに行くとか、まず一歩踏み出してみてほしいです。
私がいろいろ動いてきて感じたのは、優しくて親切な人が本当に多いということ。ちょっと勇気を出して動いてみるだけで、自分の中の行動力とか知識、経験がぐんと広がるのは間違いありません。
私自身も「自分なんかにできることはない」って思ってた時期がありました。でも、やっぱり大事なのは、小さなことをコツコツ積み重ねていくこと。失敗しても大丈夫。とにかく、いろんな人に出会って、たくさん動いてみてください。必ず何かが変わります!
吉松さん、貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました🐶!
(聞き手・文:原田空宙)
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