olly 代表 澤登 公孝さん
澤登 公孝
2015年-2019年:大手通信会社に勤務
2016年-現在:NPO法人greenbird渋谷チーム 三代目代表に就任
2019年-2023年:大手BPO会社に勤務
2021年-現在:NPO法人O-Park、ollyなど複数の組織を立ち上げ、代表を務める
2023年-現在:株式会社デジタルガレージ DALabでコミュニティマネージャーとして活動中
澤登さんは、ollyの代表として社会実践コミュニティを構築し、多くのプロジェクトを支援しています。そんな澤登さんにお話しを伺ってまいります!
社会課題を成長機会に変える!
社会実践コミュニティ
都丸:事業内容を教えてください
ollyは、企業や自治体と連携し、社会貢献・社会課題に関するプロジェクトをつくる組織です。学生が主体的にプロジェクトを運営する、「社会実践コミュニティ」として活動しています。
主なプロジェクトは、本企画である発明クラブの他に、PROM(欧米の高校の卒業イベント)を日本で毎年開催したり、企業と高校生のワークショップイベント高校生SDGs会議や、海洋問題をわかりやすく伝えるInstagramメディアMoanaなどがあります。その他に、企業や商店街と連携して活動するプロジェクトにも取り組んでいます。
都丸:事業を通してどの様な社会貢献・社会課題に取り組んでいますか?
「持続可能な社会貢献活動」を増やし、社会貢献が多くの人にとって優先される状態をつくることを目指しています。
都丸:その社会貢献・課題の実現に対しての社会の現状を教えてください
現状、社会貢献活動には参加者が限られており、渋谷の他団体からも「若者の参加が少ない」「なかなか継続してくれない」という声をよく聞きます。その大きな原因は、無償のボランティア活動に多くの時間を割ける人が限られていることです。
ollyとしても、ボランティアベースで成果を求めることには限界があり、活動が継続する例は限られています。プロジェクトが継続できるのは、報酬以外の明確なメリットが設計され、それにコミットするメンバーがいる場合になります。しかし、それでも無償で動き続けるのは大変なことなので、成果に見合う報酬やインセンティブの仕組みづくりが大きな課題です。
都丸:その現状に対しての最大の障壁は何になりますか?
最大の障壁は「アルバイトとの両立」です。
現状、学生にとって生活費を稼ぐアルバイトが優先されるため、無償の社会貢献活動は選ばれにくい状況です。さらに、活動証明書や短期成果を目的とした参加が多く、社会貢献が主体的な活動として定着しづらい現状があります。
そのため、社会貢献活動を「仕事」として取り組める仕組みをつくり、報酬面での持続性を確保する必要があると考えています。加えて、活動に参加する学生自身が「自己成長」や「キャリア形成」の機会として捉えられるような価値提供も重要だと考えています。
都丸:その現状を打破するためにどの様な行動をされていますか?
3つあります。
①事業としての取り組み
2000Worksでは、JOB型で時給2,000円以上の仕事をリーダーのメンバーに振り分ける実験をしています。これは、動画編集などプロジェクト内で培ったスキルを外部案件として受注し、報酬を得る取り組みです。
発明クラブでは、社会課題に取り組む経営者に支援してもらうのではなく、学生視点で魅力を掘り下げるブランディングや、学生とのワークショップを通じて次世代と企業の接点をつくり、収益を確保できる仕組みを構築しています。
②主体的に成長する組織構築
ollyでは、運営メンバーとコミュニティを「責任」を軸に明確に分けています。
運営メンバーは、企業や自治体の期待を理解しながらプロジェクトを遂行し、組織の成長と、コミュニティメンバーや一般参加者の満足度向上に責任を持ちます。そのため、役職を持つメンバーには多くの権限を与え、自ら裁量を持って判断・行動できる環境を整えています。
一方、コミュニティは、活動に参加するすべての人を指します。運営とコミュニティを切り分けることで、運営メンバーは組織の成長にコミットし、コミュニティメンバーは自分のペースで気軽に活動に関わることができます。これにより、役割と責任を明確にしつつ、多様な関わり方を組織の力として活かせる状態を目指しています。
③社会貢献活動の価値向上
社会貢献活動が単なるボランティアではなく、キャリア形成や自己実現の機会として取り組める状態をolly以外にも拡げていく為に他の団体に対しても組織構築の支援を行っています。
都丸:「誰もが社会貢献を考え、社会をより良くしていく」には、どうすれば良いとお考えですか?
社会貢献を特別な活動ではなく、趣味やキャリアの選択肢の一つとして定着させることが重要です。そのために、以下の3つの要素が必要だと考えています。
①経済的な持続可能性の確保
事業として確立させることと、社会貢献活動が収入源となる仕組みを整えること。
そして、その中でも専門性やスキルを活かせる職業の選択肢として確立することが重要です。
②早期からの教育・意識形成
学生時代から、社会で実践する経験をつくり、社会課題に触れる機会を増やし、「自分に何ができるか」を考える意識を習慣づけることが必要です。
③活動成果の可視化と共有
社会貢献活動がもたらす変化や価値を具体的に示し、多くの人に共感を得られる形で発信することで、参加への意欲を高めることが大切です。
都丸:これからの時代をつくる大学生や新社会人に向けて、メッセージをお願いします!
「社会で実践しよう!」
学生は挑戦するのに最適な時期です。失敗したらどうしようという感情は、10回以上失敗しないと直らないものと思って、気楽に興味のある分野でなにか始めてその内容を人に話してみると、新しい仲間や発見ができ、改善を繰り返すことで、自身の未来を切り開く力が身につくと思っています。
ollyでは、行動する人が報われる環境を全力で整えています。興味があれば、ぜひ運営にチャレンジしてください!
社会貢献と自己実現を両立して、持続可能な社会を共につくりましょう!
澤登さん、貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました💡!
(聞き手・文:都丸じゅり)
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