MaaSスタートアップPathfinder株式会社代表 小野崎 悠介さん

小野崎 悠介

MaaS スタートアップ "Pathfinder"代表
大学時代に機械工学経営学を学びながらスタートアップで勤務し、
大学院では経営学を学びながらドローン研究を行う。
新卒では、 総合商社で電子部品の営業や自動運転関連の仕事を経て、起業を3回も経験。
1回目: ウェアラブルデバイスのスタートアップ関係の会社
2回目: 大学発のロボットハンドのスタートアップ関係の会社
3回目: モビリティサービス
2020年、 Pathfinderを創業


今回は、そんな挑戦し続ける小野崎さんの魅力に迫ってまいります!
(聞き手・文:都丸じゅり)




片道レンタカー『カタレン』で
車の稼働率向上を!


都丸:事業内容を教えてください

片道専用レンタカーの『カタレン』を運営しています。
乗り捨て無料で都市間を片道移動できるレンタカーで、
今までレンタカーでの片道移動は、乗り捨てた車を業者が回収するためコストがかかっていたのですが、利用者同士でマッチングして車を循環させるシステムにより、回収コストを無料にし、サービスを安く提供できるようにしました。
最終的にはLUUOOPのように、『カーシェア版LUUOOP』みたいなイメージで、近くの移動でも乗り捨てられるようにできたらいいなと思っています。


都丸:事業を通してどの様な社会貢献・社会課題に取り組んでいますか?

乗り捨てたレンタカーをお金をかけて戻すという無駄な現状に課題を感じて、ビジネスを立ち上げました。
また、日本のレンタカーやカーシェアの車は100万台あると言われているのですが、その平均稼働率は50%台と少ない点にも課題を感じています。
利用者をうまくマッチングして車を移動させれば、車の稼働率が上がり、そんなにたくさんの車が必要なくなります。運用その台数を減らすことで省資源にもなりますし、運ぶ際に出ていたCO2量も減り、省エネルギーに貢献できると思っています。


都丸:その社会貢献・課題の実現に対しての社会の現状を教えてください

回収コストにより乗り捨てに料金が発生してしまうため、ユーザーが利用しにくく、自由に移動できないという現状があります。
また平均稼働率50%については、大手カーシェアでも良くて80%という話があり、それでも20%は乗られていない、つまり1ヶ月30日とすると6日間は無駄になってしまっています。
さらに、それも日数換算で1日あたり数時間予約が入っているだけで1/30とカウントしているため、時間単位での稼働率で言ったらもっと少なくなってしまうのが現状です。


都丸:その現状に対しての最大の障壁は何になりますか?

回収をなくすために利用者をマッチングさせる場合、そのエリアにある程度ユーザーがいないと動かせないため、一気に認知を広げ、マッチング率を上げていく必要があります。
また、法律に関しても障壁があります。欧米だと路上にカーシェアが止まっていて、それをスマホで開けて乗って別の路上に乗り捨てできるというサービスが、実は10年以上前からあるのですが、日本は道交法の関係で路上に停めておいたら罰されてしまうので、それができないという点もあります。


都丸:その現状を打破するためにどの様な行動をされていますか?

自由に路上から路上で乗り捨てできるようにするために、LUUOOPさんが法律を変えたように、弊社うちも道交法を変えていけるよう努めています。
決められた駐車場間の移動だけでなく、好きな場所へいけるようになればかなり自由度が増して便利になり、利用者が増えればマッチングも増えるので、もっと省資源・省エネルギーへ繋げていけると思います。


都丸:「誰もが社会貢献を考え、社会をより良くしていく」には、どうすれば良いとお考えですか?

結局は自分たちがやっていることが、自分にとってだけじゃなく、他の人にとっても良いことだから続くことだと思うので、それが社会にとってどんな価値があるのか、どう社会を変えていけるのかということを伝えていくことが重要だと思います。
まさに我々がやっている『カタレン』がそれです。何も考えずにみんなが自分の使いたいように車を使うと、いろんなところに車が散らばってしまい、トータルの稼働率が低くなって、お客様に高いお金を請求せざるを得なくなってしまいます。
そこを一歩引いて全体最適で考えたら、例えばお客様がAからBに行きたいということがあるかもしれないけど、その隣のB’に行くことでマッチングが成立して安く済むのであればメリットですよね。
その少し不便みたいなものを享受してくれるかどうかで、全体最適の結果がだいぶ変わって、トータルで見たときの快適さに近づいていくと思うんです。
我々が目指しているのは、まさにそういうサービスです。


都丸:これからの時代を作る大学生や新社会人に向けて、メッセージをお願いします!

やはり自分の行動や考えに一貫性を持って、自分が社会の一員であると、社会との繋がりを意識をしながらそれを大切にしていただきたいなと思っています。

なぜそんなことを言っているのかというと、自分1人で行動していても、なにか動き出すということは、必ず誰かに影響を与えていますし、そうじゃなくてもっと大きくしようとしたら必ず誰かを巻き込む必要があると思います。
そういった時に、繋がり、一貫性みたいなところがかなり重要になってくるんじゃないかなと思っています。
やはり「私はこういう人です」というのをコロコロ変えていると信用されないということにもなります。さらに対外的なものだけではなくて、自己洗脳みたいに、言っているうちに自分自身その思いが強化されて、結果的に一貫性も出てくるみたいなこともあるので、ぜひ一貫性を意識していただきたいです。



小野崎さん、貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました🚗!

(聞き手・文:都丸じゅり)


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